ABOUT

ひな人形を飾る風習は、平安時代に人形(ひとがた)、形代(かたしろ)と呼ばれる草木あるいは紙などで作った素朴な人形に、自分の災厄を移して海や川に流した行事が始まりだと伝えられております。それが転じて、子供の厄除けをしてくれる宝物となり、子供が健やかで優しい女性に育つ様にと親の願いが込められています。その願いは今も昔も変わらない願いです。 昭和11(1936)年に初代望月麗光(望月源藏)が現在の「望月人形」を創業し、80年という年月のなか、昔ながらの稲ワラを使った胴体や手彫りの手など、昔から伝わる伝統技術や技法、材料で一つ一つ魂を込め人形を製作しております。そこには綿々と続く伝統への畏怖と敬意はもちろん、人形を手にすることになるお子様に「本物の日本の美意識」を感じ取って頂きたいという願いが込められています。 生活様式や住まいの洋式化の中で、お子様が日本の伝統を身近に感じる機会も減ってまいりました。しかし一方、国際的なグローバル化が進む中で、日本人としてのアイデンティティを持つことは大きな財産となるでしょう。幼い頃から共にある「ひな人形」を通じて、お子様の「日本の伝統」への触れあいと、良き思い出作りをお手伝いできれば、こんなに嬉しいことはございません。 また、伝統を踏まえつつ、現代のライフスタイルに適合した新しい作品の製作にも積極的に取り組んでおります。ぜひ、お客様の確かな目で望月人形の作品をご覧になっていただければと願っております。 略歴 御雛人形司 三代目 望月 麗光(モチヅキ レイコウ) 平成12年 人形師でもある祖父と父に師事。 平成25年 CS放送ディスカバリーチャンネル「明日への扉」に出演。 平成28年 歌舞伎座(五代目 坂東玉三郎氏)からの依頼で『神雛』を製作。翌年「初春大歌舞伎 井伊大老」で小道具として使用される。 平成29年 東京国立博物館からの依頼で日比谷家伝来の江戸製古今雛の修復に携わる。 平成31年 国家資格である経済産業大臣認定 駿河雛人形「伝統工芸士」に認定される。 令和2年 独立行政法人国際交流基金からの依頼で海外巡回する展示会英題「NINGYO」用の雛人形を「九種類」制作する。現在各国を順次巡回中(5年かけて世界各国を巡回する)。 令和3年 日本の節句文化(五節句)をユネスコ無形文化遺産登録を目指す「日本の節句文化を継承する会」のご依頼で「上巳の節句」の展示物として「立雛」を制作。衆議院議長公邸や各国大使館などへの展示予定。